2階建て車両の指定席問題
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更新日: 2017/10/08
特急でたまに見かける2階建て車両の場合、景色が良い2階席から先に埋まっていく。
その結果、1階席は空席でも2階席に乗りたいから1本見送って次の電車を待つ、という現象が起きてしまい、鉄道会社にしてみると、せっかく2階建て車両にしたのに輸送効率が悪くなってしまう。
岡山〜高松間を結ぶ快速「マリンライナー」はユニークなプライシング戦略でこの問題を解決している。
マリンライナーは瀬戸大橋を渡る展望が観光客に人気が高い。
そこで2階のみグリーン車指定席にし、1階席は通常の指定席とした。
さらに通常の1階建て車両を自由席として組み合せている。
この3つの価格設定で展望・価格・快適性のバリエーションを展開し、多様な顧客ニーズに対応している。
騒がしい観光客を1階建て車両に誘導し、景色が悪くデッドスペースになりがちな2階建て車両の1階部分をあえて指定席にすることで快適性を高めるという副次的効果もありそうだ。
観光客でなくても景色が良いほうがいいと考える人が多そうだから、指定席がどれくらい売れるかは気になるところだが・・・
1階席も2階席も同じ料金設定の列車が普通だと思うが、
顧客体験は全然違うわけで、切符の料金設定はもっとバリエーションがあっていいと思う。
時間帯・時期(曜日)・座席によってAIで自動で料金設定するシステムとか。
飛行機・鉄道・高速バスは移動手段として競合関係にあるのにチケットの価格メカニズムが全然違うのは興味深い。
ITシステムコストが下がると究極的には同じプラットフォームになるのだろうか。