Amlogic S912, 3GBメモリ搭載の「Z69 Plus」でAndroid TV再チャレンジ
Apple TVやFire TVからの置き換えを狙い、Android TV boxを試してみました。
前回の記事で紹介した「A5X Max Plus」はKodi(旧XBMC)だけなら問題ないですが、それ以外のアプリでは動作不安定でした。
RK3328、4GBメモリ搭載のAndroid TV box「A5X Max Plus」実機レビュー
動作不安定な原因はSoCだと予想し、違うメーカーのSoCを搭載したAndroid TV boxに再チャレンジしてみました。
今回、試してみたのはAndroid TV box用途で定評あるAmlogicの新型SoC「S912」を搭載した「Z69 Plus」です。
※中華ガジェットの通販サイト「TOMTOP」よりサンプル提供されたものです。
目次
スペック
![Z69の特徴](https://obakasanyo.net/wp-content/uploads/2017/12/z69-01-300x300.jpg)
Z69のざっくり特徴
外観
中華ガジェット感の強い見た目です。
![Z69-梱包](https://obakasanyo.net/wp-content/uploads/2017/12/Z69-02.jpg)
これ以上無く質素な梱包
![Z69-同梱](https://obakasanyo.net/wp-content/uploads/2017/12/Z69-03.jpg)
赤外線リモコン、HDMIケーブル、ACアダプタが付属
![Z69-側面](https://obakasanyo.net/wp-content/uploads/2017/12/Z69-04.jpg)
右側面にUSBポートとMicroSDスロット
ユーザインタフェース
![<img src="https://obakasanyo.net/wp-content/uploads/2017/12/Z69-04.jpg" alt="Z69-側面" width="400" height="300" class="size-full wp-image-880" /> 右側面にUSBポートとMicroSDスロット](https://obakasanyo.net/wp-content/uploads/2017/12/Z69-screen.jpg)
いたって素朴なUI
カタログスペック
内蔵ストレージが64GBのオプションも選べます。
メモリ3GBなのが気になりましたが、ベンチ結果も使用感も「A5X Max」より良好でした。
HDMI-CECにも対応してますのでテレビのリモコンで画面操作できます。
機種名 | Z69 Plus |
---|---|
実売価格 | 70ドル |
SoC | |
メーカー | Amlogic |
チップ名 | S912 |
CPUコア |
Cortex-A53, 2GHz x4コア, 1.0GHz x4コア |
GPUコア | Mali-T820 MP3, 600MHz x3コア |
ハード | |
RAM | 3GB |
eMMC | 32GB/64GB |
SDカード | 最大32GB |
WiFi |
2.4/5GHz 802.11ac |
イーサネット | 1000M |
Bluetooth | 4.1 |
USB | USB2.0 x2 |
HDMI |
HDMI 2.0a, HDMI-CEC (4k @60fps, HDR10/HLG) |
オーディオ | SPDIF |
その他 | |
OS | Android 7.1 |
ファイルシステム | FAT16/FAT32/exFAT/NTFS |
ビデオ処理 | 4k@60fps VP9,H265 |
電源 | ACアダプタもしくはUSB |
外形 | 10.7 x 10.7 x 2(cm) |
重さ | 250g |
付属品 | HDMIケーブル、赤外線リモコン、ACアダプタ |
実売価格
2017年12月時点で実売価格は32GB版で65〜70ドル程度です。
中華Android TVとして平均的な価格帯です。
評価結果
Antutuスコア
Antutuのベンチマーク結果です。
項目 | Z69 Plus |
---|---|
総合 | 39434 |
3D | 8279 |
UX | 14232 |
CPU | 13099 |
RAM | 3824 |
アプリ動作
デフォルトでroot化されているので、一部アプリだとNG判定はくらいます。
それ以外だと動作は安定していて、操作のもたつきもありません。
・Google日本語入力:問題なし
・Amazonプライムビデオ:問題なし
・DAZN:root化判定でNG
・dビデオ:root化判定でNG
消費電力
ワットチェッカーで消費電力を測定しました。
起動時無負荷で3〜4Wでした。
「A5X MAX」と同じく、USB端子からの電源供給でも起動できました。
モバイルバッテリーで起動できるので便利です。
HDMI-CEC経由でテレビから操作するとスリープモードに入れます。
スリープモードの消費電力は1W以下でした。
1秒かからないくらいで復帰できるので実用的な機能です。
せっかくのスリープモードですが、HDMI-CEC経由以外の操作方法が見当たりません。
リモコンの電源ボタンを押すと、シャットダウンか再起動かを選択するメニューしか表示されません。
通常のAndroid端末だと電源ボタン長押しで表示されるアレです。
感想
「Z69 Plus」はクセがない素のAndroid TV boxとしてオススメできる機種です。
最近、Android 7.1にアップデートされたばかりのファームウェアなので、
動作の安定性を心配してましたが、まったく問題ありません。
「A5X MAX Plus」に比べるとUSBが2.0のみなのが惜しいところ。
使いやすさの面では赤外線リモコンがイマイチです。
感度が悪く、操作できる距離も角度もシビアです。
それにリモコンの電源ボタンを押したときの挙動も不便です。
HDMI-CEC経由でテレビのリモコンでも操作できますが、
常用するならBluetoothリモコンを別途購入したほうが快適だと思います。
海外フォーラムでAndroid TV boxの分解・評価情報を調べてみたところ、
廉価なAndroid TV boxは同じSoCだとどれも似たような基板です。
スマホではすっかり淘汰された中国の新・伝統工芸品「山寨機(シャンジャイジー。いわゆるバッタモン)」がAndroid TV boxの世界で生き残っていることが分かります。
カスタマイズ性
ハックするまでが中華ガジェットです。
分解
![Z69-分解](https://obakasanyo.net/wp-content/uploads/2017/12/Z69-05.jpg)
上蓋は素手で簡単にとれます。上海蟹の食べ方と同じ要領です。
隠しボタン「リカバリーモード」
![Z69-隠しボタン](https://obakasanyo.net/wp-content/uploads/2017/12/Z69-06.jpg)
リカバリーボタン
リカバリーボタンは押しやすいところに設置されている親切設計です。
Linuxをインストールしてみる(未達)
リカバリーボタンを押しながら起動すると、microSDカードから起動できるようです。
ArmbianやLibreELEC等、S912対応版で試してみましたが、起動できず。
U-Bootの書き換えも必要?
LibreELECのアナウンスによると、AmlogicはS912のGPUライブラリを公開していないため、グラフィック性能に制約があるそう。
S912でも動作はするものの、LibreELECを動かすならS912ではないSoCがおすすめとか。
というわけで、S912をLinux系OSで無理やり動かすメリットが少なく、一旦放置。
こんな用途におすすめ
HTPCに最適
NASや外付HDDに保存したメディアプレイヤーとしてAndroid TVは実用的な選択肢です。
「Z69 Plus」くらいのスペックでAndroidにインストールしたKodiやPlexがさくさく動きます。
動画の読み込みやスキップ操作のレスポンスも早いです。
さらにスリープ時は超低消費電力。しかも一瞬で復帰します。
本格的なHTPCといえばmac miniやintel NUCがメジャーですが、画質にこだわる用途でなければAndroid TV boxのほうがお手軽です。
中華Android TV boxの中には酷いスペックの粗悪品もありますが、「Z69 Plus」はスペックもコスパも優秀です。
こちらからは以上です。
チェックしたい動作があれば、お気軽にコメントください。