Amlogic S912, 3GBメモリ搭載の「Z69 Plus」でAndroid TV再チャレンジ
Apple TVやFire TVからの置き換えを狙い、Android TV boxを試してみました。
前回の記事で紹介した「A5X Max Plus」はKodi(旧XBMC)だけなら問題ないですが、それ以外のアプリでは動作不安定でした。
RK3328、4GBメモリ搭載のAndroid TV box「A5X Max Plus」実機レビュー
動作不安定な原因はSoCだと予想し、違うメーカーのSoCを搭載したAndroid TV boxに再チャレンジしてみました。
今回、試してみたのはAndroid TV box用途で定評あるAmlogicの新型SoC「S912」を搭載した「Z69 Plus」です。
※中華ガジェットの通販サイト「TOMTOP」よりサンプル提供されたものです。
目次
スペック
外観
中華ガジェット感の強い見た目です。
ユーザインタフェース
カタログスペック
内蔵ストレージが64GBのオプションも選べます。
メモリ3GBなのが気になりましたが、ベンチ結果も使用感も「A5X Max」より良好でした。
HDMI-CECにも対応してますのでテレビのリモコンで画面操作できます。
機種名 | Z69 Plus |
---|---|
実売価格 | 70ドル |
SoC | |
メーカー | Amlogic |
チップ名 | S912 |
CPUコア |
Cortex-A53, 2GHz x4コア, 1.0GHz x4コア |
GPUコア | Mali-T820 MP3, 600MHz x3コア |
ハード | |
RAM | 3GB |
eMMC | 32GB/64GB |
SDカード | 最大32GB |
WiFi |
2.4/5GHz 802.11ac |
イーサネット | 1000M |
Bluetooth | 4.1 |
USB | USB2.0 x2 |
HDMI |
HDMI 2.0a, HDMI-CEC (4k @60fps, HDR10/HLG) |
オーディオ | SPDIF |
その他 | |
OS | Android 7.1 |
ファイルシステム | FAT16/FAT32/exFAT/NTFS |
ビデオ処理 | 4k@60fps VP9,H265 |
電源 | ACアダプタもしくはUSB |
外形 | 10.7 x 10.7 x 2(cm) |
重さ | 250g |
付属品 | HDMIケーブル、赤外線リモコン、ACアダプタ |
実売価格
2017年12月時点で実売価格は32GB版で65〜70ドル程度です。
中華Android TVとして平均的な価格帯です。
評価結果
Antutuスコア
Antutuのベンチマーク結果です。
項目 | Z69 Plus |
---|---|
総合 | 39434 |
3D | 8279 |
UX | 14232 |
CPU | 13099 |
RAM | 3824 |
アプリ動作
デフォルトでroot化されているので、一部アプリだとNG判定はくらいます。
それ以外だと動作は安定していて、操作のもたつきもありません。
・Google日本語入力:問題なし
・Amazonプライムビデオ:問題なし
・DAZN:root化判定でNG
・dビデオ:root化判定でNG
消費電力
ワットチェッカーで消費電力を測定しました。
起動時無負荷で3〜4Wでした。
「A5X MAX」と同じく、USB端子からの電源供給でも起動できました。
モバイルバッテリーで起動できるので便利です。
HDMI-CEC経由でテレビから操作するとスリープモードに入れます。
スリープモードの消費電力は1W以下でした。
1秒かからないくらいで復帰できるので実用的な機能です。
せっかくのスリープモードですが、HDMI-CEC経由以外の操作方法が見当たりません。
リモコンの電源ボタンを押すと、シャットダウンか再起動かを選択するメニューしか表示されません。
通常のAndroid端末だと電源ボタン長押しで表示されるアレです。
感想
「Z69 Plus」はクセがない素のAndroid TV boxとしてオススメできる機種です。
最近、Android 7.1にアップデートされたばかりのファームウェアなので、
動作の安定性を心配してましたが、まったく問題ありません。
「A5X MAX Plus」に比べるとUSBが2.0のみなのが惜しいところ。
使いやすさの面では赤外線リモコンがイマイチです。
感度が悪く、操作できる距離も角度もシビアです。
それにリモコンの電源ボタンを押したときの挙動も不便です。
HDMI-CEC経由でテレビのリモコンでも操作できますが、
常用するならBluetoothリモコンを別途購入したほうが快適だと思います。
海外フォーラムでAndroid TV boxの分解・評価情報を調べてみたところ、
廉価なAndroid TV boxは同じSoCだとどれも似たような基板です。
スマホではすっかり淘汰された中国の新・伝統工芸品「山寨機(シャンジャイジー。いわゆるバッタモン)」がAndroid TV boxの世界で生き残っていることが分かります。
カスタマイズ性
ハックするまでが中華ガジェットです。
分解
隠しボタン「リカバリーモード」
リカバリーボタンは押しやすいところに設置されている親切設計です。
Linuxをインストールしてみる(未達)
リカバリーボタンを押しながら起動すると、microSDカードから起動できるようです。
ArmbianやLibreELEC等、S912対応版で試してみましたが、起動できず。
U-Bootの書き換えも必要?
LibreELECのアナウンスによると、AmlogicはS912のGPUライブラリを公開していないため、グラフィック性能に制約があるそう。
S912でも動作はするものの、LibreELECを動かすならS912ではないSoCがおすすめとか。
というわけで、S912をLinux系OSで無理やり動かすメリットが少なく、一旦放置。
こんな用途におすすめ
HTPCに最適
NASや外付HDDに保存したメディアプレイヤーとしてAndroid TVは実用的な選択肢です。
「Z69 Plus」くらいのスペックでAndroidにインストールしたKodiやPlexがさくさく動きます。
動画の読み込みやスキップ操作のレスポンスも早いです。
さらにスリープ時は超低消費電力。しかも一瞬で復帰します。
本格的なHTPCといえばmac miniやintel NUCがメジャーですが、画質にこだわる用途でなければAndroid TV boxのほうがお手軽です。
中華Android TV boxの中には酷いスペックの粗悪品もありますが、「Z69 Plus」はスペックもコスパも優秀です。
こちらからは以上です。
チェックしたい動作があれば、お気軽にコメントください。