Ambarellaが失注したGoPro HERO6のSoCのメーカーは?
GoProの新型アクションカメラ「HERO6」のSoCに関する考察です。
これまでHEROシリーズはAmbarella(アンバレラ)のSoCを採用してきましたが、
HERO6ではAmbarellaのSoCが不採用になったと、Ambarella社自身が決算説明会で報告しています。
それでは、GoProはいったいどこのSoCを使うのでしょうか?
(追記)
GoPro HERO6のリーク情報が出てきました。
外見はHERO5とほぼ一緒。
SoCは「GP1」というカスタムチップを採用し、1080p@240fpsに対応するそうです。
(さらに追記)
HERO6が発売されました。
GP1の設計元はソシオネクスト(旧・富士通系)でした。
HERO6の発売時期
どこのSoCになるのか、分解したらすぐに分かります。
注目度高いHEROシリーズは発売とほぼ同時に分解されるはず。
肝心の発売時期は2017年10月〜11月と予想されます。
その理由は3つあります。
- Nick Woodman CEOは2017年中に発売予定とインタビューで答えている
- これまでのHEROシリーズが10月頃に発売されている
- クリスマスシーズンを控えている
Novatekはありえない
Ambarellaは低消費かつ高画質のビデオ圧縮技術で定評のあるSoCです。
台湾 Novatekのように、そこそこの画質でAmbarellaより安いSoCをつくるメーカーはありますが、ハイエンド志向のGoProが採用するとは思えません。
Qualcommはオーバースペック
一部で噂のあるQualcommのSoC「Snapdragon」はアクションカメラにはオーバースペックです。
GoProのカスタムASICか?
AmbarellaのSoCを超える画質とバッテリーライフを実現するため、GoProがカスタムASICを開発するのでは?という噂もあります。
技術的な観点に限っていえば、カスタムASICならAmbarella以上のパフォーマンスが実現できるのも納得です。
実際、ソニーのアクションカムは画像処理エンジンとして、自社開発のカスタムASIC「BIONZ X」を採用しています。
デジカメならCANONは「DIGIC」、パナソニックは「ヴィーナスエンジン」など、カスタムASICは機能差別化の常套手段です。
しかし、ビジネス的な観点ではアクションカメラのようにニッチな製品でカスタムASICを開発することは危険がともないます。
カスタムASICの開発には莫大な費用がかかるため、相当たくさん売らないと、初期投資を回収できないからです。
ソニーの「BIONZ X」はデジカメ用に開発したチップをアクションカメラに転用する離れ業です。
まとめ
なんだかんた言って、いまのところ最も可能性が高そうなのは
「HERO6はカスタムASICを採用する」
という説です。
GoProは競合と差別化するためにAmbarella SoCと決別したのでしょうが、この選択はかえって敵に塩を送る行為になりかねません。
アクションカメラ以外にもIPカメラや監視カメラ等でデファクト・スタンダードとなっているAmbarella SoCの性能は年々進化していきます。
それに対しカスタムASICを使うと開発サイクルがどうしても長くなってしまいます。
分かりやすい例がソニーのアクションカムです。
画質面ではGoPro HERO5を上回っていますが、起動時のレスポンスは中華アクションカムにすら劣っています。
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