サムスンの「お里が知れる」一件。発火事故の責任をなすりつけられATL社は新型Galaxyを失注。
バッテリー発火事故で販売停止となったGalaxy note7の後継機種「Galaxy note8」が発表された。
以前から噂のあったとおり、バッテリーのセカンドサプライヤがATL社から村田製作所に変更されたことが明らかになった。
ただしメインサプライヤーは引き続きサムスンSDI。
長年、Galaxyシリーズにバッテリー供給していたTDK傘下の中国ATL社はnote7の発火事故の責任をなすりつけられた形となる。
そもそもnote7の発火事故はサムスンSDI製バッテリーでの発生件数が圧倒的に多かったはず。
最終的にはnote7ごと発売停止になったとはいえ、リコールの初期段階では
「ATL製バッテリーを使っている中国・香港モデルはリコール対象でない」
とサムスン香港が発表していたこともくらいだ。
逆境のときの立ち居振る舞いで企業の品格が露出する。
サプライヤーに責任を押し付けて発火事故の幕引きを演出するサムスンって印象悪いよね。
※噂・憶測に基づく個人的な見解です。
ATL社の失注理由
ソースは韓国etnewsより。業界関係者からのリーク情報だという。
- バッテリーの発火原因や補償に関して、サムスンとATLの見解に不一致があった。
- サムスン見解によると、ATL製バッテリーは異物や絶縁テープの未着、セパレータの不良があり、発火事故の原因となったという。
- サムスンは品質向上のため、新しい検査装置の導入などコストのかかる対策をATLに要求した。
- Galaxy note8の80%を供給するメインサプライヤーであるサムスンSDIは検査装置の導入を受け入れたが、20%の仕事しかないサブサプライヤーであり、Appleにもバッテリーを供給するATL社はサムスン向けの追加投資を拒んだ。
- ATL社にかわって、品質で定評のある旧ソニーがサブサプライヤーとなった。ソニーのリチウムイオン電池は村田製作所に事業売却されている。
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韓経:ギャラクシーS8、中国バッテリー使用しない | Joongang Ilbo | 中央日報
発生頻度を無視した印象操作
Galaxy note7の発火事故の大半はサムスンSDI製バッテリーで起きていたはず。
にもかかわらず、
「発火事故をうけてバッテリーサプライヤーをATL社から村田製作所(旧:ソニー)に切り替えた」
という情報を流すことは意地悪な印象操作にすら思える。
韓国のニュースサイトでは業界関係者による情報提供とされているが、明らかにサムスン関係者による意図的なリークだろう。
ETnewsの記事では、
ATLの失注理由について費用面で折り合わなかった事情もふれられているが、
「品質向上のためATLから村田製作所に変更した」
というサムスン側の主張がメインになっている。
しかし、Galaxy note7の発火事故の犯人はサムスンおよびサムスンSDIで、ATLはもらい事故、というのがおばかさん的見解だ。
Galaxy note7はバッテリーに負担がかかりやすい無理な設計であったことに加えて、サムスンSDI製バッテリーは構造的設計ミス、ATL製バッテリーはセパレータの偶発的不良だと言われているからだ。
それにATLはAppleのiPhoneにもバッテリーを提供する大手企業。スマホで必要十分な製造能力(たまに不良が混じる程度)はあるはず。
Galaxy note7だけリコールになった理由 - おばかさんよね。
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