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IoT

netatmo ウェザーステーションの使いみち

Netatmoのウェザーステーションのレビュー記事。

CO2濃度の計測が購入動機だけど、それ以外にもアイデア次第でいろいろな用途に使える夢のあるガジェットなのだ!

逆にいえば、ただ設置しただけだど高価なお天気アプリになってしまう。

こうやって活用したら便利じゃん!という活用法を考えてみた。

特徴

Netatmo ウェザーステーションと類似品を比較した違い・特徴について。

完成度の高いアプリ使い勝手など細かいメリットもあるが、とくに大きな特徴が3つある。

カスタマイズ可能なプッシュ通知

ユーザが自由に設定した条件でプッシュ通知させることができる。

たとえばCO2濃度が一定値を上回った/下回ったら通知など。

CO2濃度が高くなったら窓を開けて換気し、下回ったら窓を締めるなど、換気の適切なタイミングと時間をプッシュ通知で教えてくれるのだ。

クラウドベース&IFFT連携

ほとんどの機能はクラウドサーバから提供される。

外出先(ウェザーステーションを設置しているLANの外)からでも、自宅と同じUIでセンサーデータを確認できる。

センサーデータは自動的にnetatmoのクラウドサーバに記録されており、IFFTとの連携も対応している。

たとえば部屋の騒音レベルが一定値に達したらTwitterにつぶやく等、家族の見守り用途にも活用できる。

モジュールで機能追加

雨量計や風速計など気象関係だけでなく、顔認識機能付きカメラや赤外線監視カメラなど、netatmoは幅広いモジュールをオプションとして追加できる。

複数台のウェザーステーションをひとつのアプリで管理することもできる。

IFFT経由で他のIoT機器と連携することもできるし、同じnetatmoのクラウドプラットフォームで統合管理することもできる。

これだけ拡張性があって、しかも動作が安定しているnetatmoは次世代スマートハウスのセンサーハブとして活躍する大本命なのだ。

エアコンと連携

いちばんの購入動機はエアコンとの連携

夜寝ている間に寒くなりすぎたり、暑くなりすぎたときだけエアコンをつけるなど、インテリジェントな制御が可能になる。

センサーを好きな場所に設置できるため、エアコンの自動温度設定よりも正確かつ柔軟な設定ができる。

IFFTで任意の時刻・任意のセンサー条件を指定しておけば、就寝前にリモコンでタイマーセットする手間も不要

ただしウェザーステーションには赤外線(IR)リモコン機能は無い。ウェザーステーションがセンサー、IFFTがトリガーの役割。

IFFTと連携してエアコンに指令を出すスマートリモコンが別途必要になる。


IFFTと連携するスマートリモコンはBroadLink社のeRemote mini(RM mini, blackbean, 黒豆)が安価&対応機種が多いのでおすすめ。

スペック

Netatmo社 ウェザーステーション(weather station)のスペックは以下の通り。

  • 価格:約2万円
  • USB電源で動く室外モジュールと単3電池で動く室外モジュールのセット

センサー

  • 室外モジュールは気温と湿度のみ。
  • 測定間隔:5分おき(固定)。CO2濃度のみ手動測定も可能。
  • 温度センサ(気温)
    • 測定範囲:–40℃〜65℃
    • 測定精度:±0.5℃
    • 室内モジュールと室外モジュールを同じ場所に置いて相対誤差は1℃程度。そこそこ正確。
  • 湿度センサ
    • 測定範囲:0〜100%
    • 測定精度:±3%
  • 圧力センサ(気圧)
    • 測定範囲:260〜1260 hPa
  • CO2センサ
    • 測定範囲:0〜5000ppm
    • 測定精度:±50ppmまたは±5%
  • マイク(騒音)
    • 測定範囲:35dB〜120dB

分解結果

分解レポートによる部品情報。

室外モジュール

  • マイコン:STマイクロ STM32L
  • RFトランシーバー:TI CC110L
  • 温度&湿度センサ:Sensirion SHT20
  • CO2センサ:赤外線LEDと赤外線センサ

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じつは室外モジュールにもCO2センサを搭載している。室外のCO2濃度は400ppmで安定しているため、室外モジュールと室内モジュールの組み合せで高精度なキャリブレーションを行っているのかもしれない。

室外モジュール

基本部品は室外モジュールと共通。

  • マイコン:STマイクロ STM32L
  • RFトランシーバー:TI CC110L
  • 温度&湿度センサ:Sensirion SHT20

室内モジュールは追加部品あり。

  • メモリ:Spansion
  • WiFi/Bluetooth:USI WM-BN-BM–04
  • CO2センサー:NDIR方式のモジュール
  • マイク

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Netatmo Weather Station Teardown, Part 1: Outdoor Module
分解レポート

CO2センサー

簡易的なNDIR(非分散型赤外線吸収法)方式のセンサーだと思われるが、自動的にキャリブレーションする機能があり、なかなか実用的に仕上がっている。

本体上部のタッチセンサーにふれるとCO2濃度をざっくり教えてくれる機能も便利。

緑(良い)→黄色(問題なし)→赤(換気せよ)と色づく演出もかっこいい。乳白アクリルとLEDを組み合せているので、安物インジケータにありがちなギラついた感じがせず、お上品。

キャリブレーション

キャリブレーション=測定精度の校正のこと。

Netatmoによると「ステーション周辺のCO2レベルが少なくとも週に1度400ppmまで低下すると仮定して行われています。正確な校正を行うためにも定期的に部屋の換気を十分に行って下さい」とのことだ。

コスト的に、基準値からの変化量でCO2濃度を推測する相対値検知が一般的。

そのためにはセンサー本体を換気した場所におき、それを手動で通知してから校正しないといけないはず。

屋外モジュールと組み合わせることで、屋内モジュールが換気した場所にあることを自動で検知しているのかもしれない。

こりゃあスゴい。

誤差範囲

ざっくり100ppmくらいは誤差があるかな、という印象。

とくにCO2センサーの温度依存性があるように感じる。冬場なので換気すると温度が下がるが、その後、人がいない状態でも暖房をつけて気温が上昇すると、CO2濃度も400ppmから600ppm程度に上昇する。

保冷剤で室内モジュールを1時間ほど冷却してみたが、CO2濃度は下がらなかったので、確証はない

良くも悪くも少し癖があるキャリブレーションを行っていそう。

ただCO2濃度は換気するタイミングの目安だけなので、200ppm程度の誤差はまったく支障なし

消費電力

24時間電源を入れるガジェットなので、気になるのが消費電力。

測定してみたところ、超省エネ設計。電気代は年間わずか5円程度!


USBの電源電圧センサで実測してみた結果が以下。

  • 待機時:5.2V×0.00A≒0W(測定限界以下)
  • センサ測定時(LED点灯):5.18V×0.05A≒0.26W

ここから電気代を概算してみた。

各種センサの測定時間は1分と仮定し、5分おきにセンサ測定しているので1年間の消費電力は
0.26W×(5min÷60min)×24h×365≒190Wh/年
となる。

電気代の単価を1kWh=27円で換算すると、年間約5円となる。

さすがフランス企業。erp指令など待機時消費電力の省エネ規制が厳しいヨーロッパ市場で鍛えられているのかも。

モバイルバッテリーで完全ワイヤレス化

5分ごとの間欠動作で超省エネ設計なので、モバイルバッテリーを使えば室内モジュールもワイヤレス化できそうだ。

ただし普通のモバイルバッテリーだと充電完了と判断され、電源が落ちてしまう。


自動停止機能を無効化したIoT機器向けモバイルバッテリーを選ぶ必要がある。

3000mAhクラスのバッテリーでウェザーステーション単独なら1ヶ月くらい動作できるはず。

さらに格安SIMを入れたモバイルルータを組み合わせれば完全ワイヤレス化も実現できる。

さらにさらに、ソーラーパネルと小型バッテリーを組み合わせれば商用電源すら不要の完全オフグリッドシステムも構築できるはず。

ただし、普通のモバイルバッテリーは充電しながら給電する動作に対応していないため、オフグリッドシステムを実現するのは少しハードルが高そう。

ラズベリーパイやIoT機器の普及で、スタンドアローン電源も手に入りやすくなってきている。

東京デバイセズ社のRaspberry Pi向けソーラー電源キット IW3100-BWSが26,8000円、中華製ノーブランドなら6000円程度でAmazonで販売していた。

もちろんバッテリー駆動は公式対応しているわけではないので、試すときは自己責任で。保護機能が不十分な電源を使うと、発火事故の危険もある。十分注意されたし。

改善点

使いやすくて満足度が高いが「ここがイマイチ」という改善点もいくつか。

レスポンス速度

センサーのデータを確認するのに3〜5秒程度かかる。ちょっとひっかかりを感じるレスポンス速度だ。

自宅(LAN)でも外出先(WAN)でもクラウド経由でログ取得しているので仕方がないとはいえ、センサーの生データをローカル・サーバにも自動保存・閲覧できる仕組みが欲しい。

クラウドが使えないとゴミ

netatmoのクラウドサーバがなくなると、何もできなくなってしまう。

APIだけでなく、すべてオープンにしてくれたら、もっといじりがいが増すのに。

測定頻度

5分間隔で困るケースは少ないが、任意で設定できるとさらに夢が広がる。

とくに騒音レベル(マイク)をリアルタイム監視できるようになると便利そう。Airbnbの監視用途など。

逆に測定間隔を伸ばせばバッテリー駆動の用途が広がる。

netatmo社について

Netatmo社は2011年創立したフランスのベンチャー企業。

社名の由来はインターネットのnet+空気を意味するAtmosphereの造語。

コネクテッド家電、スマート家電を開発している。

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