ユピテルのドラレコ「DRY-FH200」はなぜ燃えたのか?
リチウムイオン電池ネタが大好物のガジェットブロガー「あるばか」です。
ここでガジェット小噺をひとつ。
「おい、熊さん。ユピテルのドラレコがリコールになったってよ」
「なんだい、ドラレコってのは?」
「ドライブレコーダーのことだよ。」
「あぁ、どれえぶレコーダーのことか。なんでリコールになったんだい?」
「リチウムイオン電池が火を吹いたそうだ。」
「てやんでい。花火といえば玉屋と鍵屋だ。ユピテルの花火はよく燃えるのかい?」
リコールの概要
2017年9月4日よりユピテルのドライブレコーダー「DRY-FH200」のリコールが発表された。
経産省によると、ユピテル製ドライブレコーダーで4件の重大製品事故が発生し、うち2件はドライブレコーダー内蔵のリチウムイオンポリマー電池の出火が原因だと推定されたため。
ドライブレコーダーが原因だと推定されているのは4件のうち2件。
残りの2件は「焼損痕がないため延焼と推測」(A201500254)、「サンシェードに挟まれたせいでドラレコが異常加熱」(A201600273)というもの。
~~ドライブレコーダー「DRY-FH200」回収と製品交換について|重要なお知らせ|Yupiteru(ユピテル)
発火原因の推測
「DRY-FH200」で発火事故が起きたからリコールになるのは分かるんですよ。
ただ、なぜ「DRY-FH200」が発火するのか?という肝心なところが発表されていません。
「DRY-FH200」の発火原因を推測してみます。
しょぼい電池だから
クチコミを調べると「DRY-FH200」にかぎらず、ユピテルのドライブレコーダーは電池がよく膨らむ(いわゆる「妊娠」)と悪評が目立ちます。
ドラレコ爆発寸前! ユピテルDRY-FH32GS - まず分解。
ドライブレコーダー内蔵の電池から出火か リコール届けhttps://t.co/rjUYV2Ccqw
>「ユピテル」のドライブレコーダー、「DRYーFH200」で
使ってました。バッテリー膨らんで本体割れてたのに気づいて捨てました。出火しなくてよかった。。今さらリコールって… pic.twitter.com/5jcVixCbIS
— おれおわた (@oreowata) 2017年9月3日
高品質なリチウムイオン電池は非常に高価です。
その一方で中国では安いリチウムイオン電池が粗製乱造されています。
ユピテルが安いバッテリーを使っているとしても不思議ではありません。
充電制御がしょぼいから
電池自体がしょぼいことに加えて、充電制御にも問題があり、電池にストレスをかけている可能性が疑われます。
本来、ドライブレコーダーでは高度な充電制御が必要です。
自動車の鉛バッテリーは電圧が不安定だからです。
たとえば鉛バッテリーの電圧変動によって、リチウムイオン電池の充放電が頻繁に繰り返すような動作になるかもしれません。
シガーソケットからUSB給電される電源もノイズまみれかもしれません。
そもそも電池は必要?
そもそも「DRY-FH200」がリチウムイオン電池を内蔵していること自体に疑問があります。
ドライブレコーダーがリチウムイオン電池を内蔵する目的は、普通、停車時でも録画できるようにするためです。
「DRY-FH200」には停車時録画機能はありません。
説明書をみても「本体を取り外してカメラのようにも使える」という謎のメリットしか書かれていません。
本来は不要なバッテリーをわざわざ内蔵するのはなぜでしょうか?
アクションカメラの設計を転用して、バッテリーを外したら安定して動作できなくなった。
電源を設計しなおすのは面倒だし、安物のバッテリーだから、そのまま使うことにした、とか?
おすすめ機種
燃えないドラレコ
安全のため買ったドライブレコーダーのせいで愛車が炎上してしまったら、本末転倒ですよね。
発火のリスクを考えると、大容量のリチウムイオン電池より、スーパーキャパシタを搭載した機種のほうが無難です。
ユピテルが本気だしてきた
リコールで注目を集めたユピテルから画期的なドライブレコーダー「S10」が発表されました。
「え?ユピテルでしょ。燃えそう」
と心配ですよね。
大丈夫です。
「S10」はバッテリーを内蔵していません。
しかも!車両バッテリーのみで長期間の駐車監視が可能になったのです。
これまでの駐車時録画は加速度センサーがメインだったので、車に衝撃があった後からしか記録できませんでした。
駐車時も常時録画するためにはリチウムイオン電池を内蔵したドラレコが必要で、しかもバッテリー容量の制約から長時間の常時録画はできません。
「S10」はユピテル独自の24GHzドップラーセンサー(マイクロ波、準ミリ派レーダー)を搭載し、不審者の接近をあらかじめ検知することが可能です。
周辺監視レーダーとドラレコの融合は「S10」が初めてのはず。
あくまで「レーダー」ではなく「センサー」ですし、イメージ画像からみても、検知距離はせいぜい1mくらいでしょうか。
駐車場での当て逃げ対策としてやっぱり常時録画機能が欲しいですか?
安心してください。「S10」は外付けバックアップ電源のオプションがあります。
「 OP-MB4000」は燃えにくいニッケル水素バッテリーです。
ユピテル、わかってる!
「S10」は法人向け製品となっていますが、一般発売されるのか、気になります。
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