【徹底比較】アクションカメラの選び方。最強なのはGoPro?ソニー?中華?
こんにちは。
どのアクションカメラを買うか調べるのに土日をまるっと費やした馬鹿野郎です。
アクションカメラもずいぶん安くなってきたので、ひとつ買ってみようと思ったんですよ。
そう、Gearbestあたりで売っている1万円前後の中国製激安アクションカメラをね。
ブログのレビューを読むと、けっこう評判いいみたいじゃないですか。
中華ガジェットは「安物買いの銭失い」になるのが怖いから、いちおうGoProとかソニーとかひと通りの機種を見ておくことにしたんですよ。
それで価格ドットコムを見てみたら、なんとまあ、アクションカメラの種類が多いこと。
どれを選んだら良いのか、まるっきり分からない。
もう富士の樹海に迷い込んだみたいで、ベストバイを決めきれない。
そこでアクションカメラの口コミを手当たり次第に調査していたら、土日が終わりました、とさ。
そんなわけで2017年最新のアクションカメラを熟知したガジェットブロガーによる「買ってから後悔しないためのアクションカメラの選び方」を伝授します。
この記事を読めば次のような疑問がすっきり解消して、あなたにとって最適なアクションカメラがずばり分かるようになりますよ。
- アクションカメラって何がいいの?
- 中国製アクションカメラのデメリットは?
- GoPro、ソニー、パナソニック、ニコンなどメーカーごとの特徴は?
- 主要スペックを比較した違いは?
- 私の用途にいちばんマッチするのはどれ?
目次
アクションカメラの面白さ
そもそもスマホのカメラが超便利なのに、あえてアクションカメラを買う理由はなんでしょうか?
わたしはアクションカメラの醍醐味は「お手軽に、その場の雰囲気を写真や映像に残せること」だと思っています。
日常の何気ないひとコマを雰囲気ごと切り取るためにカメラに求められる性能は次の3つです。
- 小さくて軽いこと
- ワンタッチですぐ録画できること
- 目で見たままを残せる広い視野角
「コンパクト」「シンプル」「広角レンズ」なアクションカメラは空気感を切り取るのにうってつけなのです。
スマホやデジカメでは決して撮ることができない写真・映像の数々は、日々の生活をより思い出深いものに変えてくれずはずです。
アクションカメラといえば、サーフィン動画やリアクション芸人の表情をワイプで抜くためのもの、というイメージが強いですよね。
でも、本当はもっと面白いポテンシャルがあるカメラなのです。
まだ持っていない人はぜひ試してみるべきです。
安いものなら5千円くらいから売っています。
ベストバイは用途で決まる
では、どのアクションカメラを買うのが正解なのでしょうか?
結論をさきにまとめます。
- 中華アクションカムには安いなりの理由がある
- GoProは高いなりの価値がある
- ベストバイはあなたの用途次第
ありとあらゆるアクションカメラを調べあげ、レビュー・口コミを読破した末にたどり着いた結論は「どんな用途でアクションカムを使うのか?用途が決まれば、おのずと選定基準が決まる」ということです。
製品ジャンルは3つだけ
膨大な種類があるように思えるアクションカメラですが、じつはたった3つの製品ジャンルに整理できます。
- ベーシックタイプ
- 変化球タイプ
- 廉価タイプ
ベーシック:GoPro Hero
「ベーシックタイプ」の代表例がGoPro Hero。ザ・アクションカメラというべき定番モデルです。
変化球:ソニー
「ベーシックタイプ」が取りこぼしているニーズを狙うのが「変化球タイプ」です。「変化球タイプ」の代表例がソニーのアクションカム。
廉価:中華アクションカム
「変化球タイプ」が独自機能で差別化するのとは逆に、似たような製品を作り、安さで勝負するのが「廉価タイプ」です。GoProクローンの中華アクションカムが代表例です。
スペック比較
「ベーシック」「変化球」「廉価」の代表製品として次の3つの製品をスペックを比較してみました。
ベーシックタイプ:GoPro HERO5 BLACK CHDHX-501-JP
廉価タイプ:Original SJCAM SJ6 LEGEND
画質を左右する『レンズ」「センサー」「DSP」
カメラの画質を左右する最重要スペックはレンズ、イメージセンサー、画像処理エンジン(DSP)の3つです。
比較結果はこちら。非公開の仕様は分解情報などから割り出しました。
GoPro HERO5 BLACK | Sony HDR-AS300 | SJCAM SJ6 | |
---|---|---|---|
レンズ | F2.8 | F2.8(ZEISS Tessar) | F2.5 |
イメージセンサー |
Sony Exmor R(IMX117) ・画素数:12Mピクセル ・サイズ:1/2.3型 ・ピクセルサイズ:1.55um |
Sony Exmor R(IMX317か?) ・画素数:8Mピクセル ・サイズ:1/2.5型 ・ピクセルサイズ:1.62um |
Panasonic MN34120PA ・画素数:16Mピクセル ・サイズ:1/2.3型 ・ピクセルサイズ:1.335um |
DSP | Ambarella A9SE7 | Sony BIONZ X | Novatek NT96660 |
定番部品のGoPro
GoPro HERO5 BlackはF2.8の明るいレンズ、ソニーの高感度裏面照射型CMOSセンサー、画質に定評がある米アンバレラ社のSoC(DSP)と、アクションカムのお手本とも言うべきド定番の部品構成です。
画質にこだわるソニー
HDR-AS300は画質にこだわるソニーらしい豪華な部品構成です。
まずレンズはソニーご自慢の「カール・ツァイス」ブランド。
ドイツの名門光学機器メーカー ツァイスの「テッサー」レンズを採用。
高い光学特性により解像度・コントラスト・色再現性に優れ、歪みを抑えた美しい描写が可能です。
レンズ表面には多層膜コーティングを施し、光の乱反射によるゴーストやフレアを効果的に抑制します。
(カタログより引用)
つぎにイメージセンサーも当然ソニー製。
しかも有効画素数よりピクセルサイズを優先した新型IMX317を採用していると思われます。GoProのIMX117よりも綺麗(高感度・低ノイズ)なはず。
そして画像処理エンジンもソニー製。重要部品をソニー内製でかためて、ポテンシャルを最大限に引き出す伝統芸です。
カタログスペックで釣るSJCAM
ひとくちに中華アクションカムといってもピンからキリまでありますが、
ミドルクラスにあたる1万円前後で評判の良いSJCAMはズル賢い部品構成です。
GoPro同等のカタログスペックで注目を集めつつ、目立たないように安物を使っています。
イメージセンサーはパナソニック製。
16Mピクセルの高解像度が目を引きますが、ピクセルサイズが小さくノイズに弱そう。
SoCに台湾 Novatekを使うのは中華アクションカムのコストダウンの常套手段。
イメージセンサーやSoCに二流品を使うなら、レンズもそれなりの品質だと考えるべき。F2.5というカタログスペックはすごいですが、過度な期待は禁物です。
コスパがよいと大絶賛されているSJCAMのベストセラーモデル SJ6ですらこんな感じですから、一万円以下の激安アクションカムの性能は推して知るべしです。
ひどいのになると、監視カメラやドアスコープ並の画質だとか。
中国のAppleと呼ばれるXiaomi(小米)の「Yi」のように高品質パーツを使った高級モデルもありますが、値段は3万円台に跳ね上がります。
中華アクションカムが安いのには理由があります。
見た目とカタログスペックはGoProとそっくりでも、中身は安い部品に置き換わっています。
「SJCAM SJ6で十分!」というレビューも多く、それなりに綺麗に撮影できることはたしかです。
しかし、価格相応の違いはあります。
画質の違い
画質の違いを極端に例えると
・曇りの日でも晴れの日のように撮るソニー
・曇りの日は曇り日として撮るGoPro
・晴れの日でも曇りの日のように映る中華アクションカム
というイメージになります。
使いやすさ
アクションカメラの使いやすさを決める重要要素であるデザイン、レスポンス、操作性について比較するとこうなります。
GoPro HERO5 BLACK | Sony HDR-AS300 | SJCAM SJ6 | |
---|---|---|---|
デザイン |
・レンズカバーが交換可能 ・本体のみで10m防水 |
奥行き方向が細長い外形 | ぱっと見はGoProHero4 |
起動時間 | 早い | 遅い | 早い |
操作性 | リモコン等各種アクセサリーが充実 | ライブビューリモコンあり | 防水リモコンあり |
かゆいところに手が届くGoPro
GoPro HERO5 Blackはさすがアクションカメラの老舗。
かゆいところに手が届く工夫がいたるところにあります。
GoProらしい丸っこいデザインとつや消しのブラックは適度な存在感です。
レンズカバーが交換可能なのも大事なポイントです。
さらに外付けカバーのアクセサリーも充実していますので、多少、手荒く扱っても大丈夫。
ソニーのようにレンズがむき出しになっていると、本体の取り回しに非常に気を使います。
本体のみで防水対応していることも画期的な差別化ポイントです。
外付けケースが不要になったことで、海水用やプール、サーフィンなどマリンレジャーでも迫力がある生音の録音が可能になります。
今までは音が録れないのが当たり前だと思っていたシーンで、生音が撮れるのはけっこう大きいメリットです。
それとGoProは各種アクセサリーが一番充実しています。
ビデオカメラっぽいソニー
HDR-AS300の使い勝手はビデオカメラよりのイメージです。
外形デザインはハンディカムをぎゅっと小型化した形でホールド感は良好です。
カメラ本体だけを手持ち撮影する場合に安定感があり、撮影されている側からするとほぼレンズしか見えないので圧迫感が非常に少ないです。
自転車やバイクにマウントするときにもマッチします。
奥行方向に細長いデザインのデメリットはバックパックやチェストマウントでウェアラブルカメラ的な使い方がしづらいことです。
クリップマウントでバックパックに固定する方法はGoProの定番活用法です。
移動中もハンズフリー撮影できます。
ソニーのアクションカムで同じことをやろうとするとカメラ本体が出っ張るので違和感あり、構造的にもブレやすいです。
プラスチック感満載の外装もいまいちです。
チープ感があり、真っ白でとかく悪目立ちします。
カメラは黒系で無難です。反射による映り込みが少なかったり、目立たないほうが自然な表情を撮れることが多いので。
そして致命的なのは起動時間が遅いこと。
本体の電源ボタンを押してから操作可能になるまで実測約9秒かかります。
さらにライブビューリモコンの電源ボタンを押してから映像がリンクするまで実測約16〜20秒でした。
これだったらスマホのカメラを起動したほうがずっと早い。
実際に使っていて最もストレスを感じるのが起動時間の遅さです。
起動時間が遅いことの対策として、使う時は常に電源オンにしています。
バッテリー交換できるカメラ本体は常時スタンバイでなんとかなります。
ライブビューリモコンが問題です。
録画時はディスプレイの自動消灯機能がありますが、スタンバイはディスプレイが点灯しっぱなしです。
バッテリー残量を常に気にしながら使い、都度、モバイルバッテリーで継ぎ足し充電しておくなど、気を使います。
いろいろ不満はありますが、ライブビューリモコンは重宝しています。
機能的にはスマホでほぼ代用できますが、カメラ本体との接続がボタンひとつで完了すること、非常に小型なことが地味に便利です。
玉石混交の中華アクションカム
中華アクションカムの使いやすさはメーカーや機種によってバラバラです。
ソフトウェアの作り込みが甘いため、操作のレスポンスが遅かったり、フリーズしたり、バッテリーがすぐなくなる等の口コミが多いです。
SJCAMはよくできている印象です。起動が早く、防水リモコンのアクセサリーもあるのはポイント高いです。
機種ごとの特徴
GoPro、ソニー、中華アクションカム(SJCAM)の特徴をまとめます。
特徴が分かりやすい中華アクション、ソニー、GoProの順番で紹介します。
中華アクションカムは「安い!」
中華アクションカムの特徴はともかく「安い」こと。
アクションカメラがどんなものか、手軽に試してみる入門機としてオススメ。
もしそれなりの画質・操作性を求めるならGoProやソニーを選んだほうが無難です。
画質にこだわった上位モデルだとGoProとの価格差はせいぜい1〜2万くらいです。
中古で売ることも考えたら、値崩れしないGoProのほうがお値打ちです。
画質ならソニー
写真や動画を綺麗に撮りたいならソニーが一番。
青空や夕焼けのシーンを見比べると一目瞭然です。
GoProはニュートラルな色調。
編集加工するのには向いていますが、無編集だとソニーのビビットな色調に比べて味気なく感じます。
中華アクションカムはダイナミックレンジの狭さをコントラストを強くしてごまかしています。
パッと見は綺麗でも、夕焼けのシーンなどで階調がつぶれているのが顕著です。
強力な光学式手振れ補正もソニーだけ。
コンパクトなアクションカム本体に内蔵したのが画期的です。
ジンバルのような大げさなアクセサリーをつけなくても、手軽にブレを抑えた映像がとれます。
迷ったらGoPro
どのアクションカメラにするか迷ったときはGoProが無難。
ソニーや中華アクションカムなど競合製品が増えても、
多くの人がGoProを選び続けるのにはそれなりのワケがあります。
使えば使うほど細かいところもよくできていて、完成度の高いアクションカムです。
例えば本体だけで防水対応しているのはGoProだけ。
防水ケースが不要なので水に濡れるシーンでも臨場感あふれるサウンドが記録できます。
あとから映像加工する手間が気にならなければ、画質もソニーと大差なし。
写真はRAW形式で保存できるのもポイント。
用途別のオススメ機種
よくある用途別からおすすめの機種をまとめます。
なんでもできるGoPro
GoProは万能選手。
アクセサリーが充実しているので、幅広い撮影シーンに対応できます。
とりあえずお試しなら中華アクションカム
画質や機能を割り切って使うなら、コスパの良い中華アクションカム。
アクションカムは壊れやすい環境で使うことが多いし、性能が日々進化している最中ですしね。
写真メインならSony
動画よりも写真として使うことが多いならSonyがおすすめ。
写真を取るときにライブビューリモコンが非常に便利です。
アプリを入れたスマホでも機能的には同じですが、使い勝手が全然違います。
ライブビューリモコンは手のひらにすっぽり収まるサイズです。
片手でカメラを持っている状態でも、簡単に操作できます。
スマホはタッチパネルなのでシャッターボタンを押しづらいです。
長時間録画するならGoPro
ビデオログ的に常に録画しておくスタイルならGoProのハイライト機能が優秀。
録画中にハイライト箇所をタグ付けでき、自動的に見どころを編集したハイライトムービーを作成できます。
ソニーにも似た機能はありますが、タグ付けしないのでハイライトシーンを抽出する精度は劣ります。
マリンスポーツならGoPro
防水と録音が両立できるのはGoProだけ。
プール、海水浴、ラフティング、サーフィンなど生音を混ぜるといっそう迫力ある映像になります。
バイクや自転車にマウントするならSony
バイクや自転車のドライブを記録するならSony。
光学式手ぶれ補正は細かい周期的な振動にめちゃくちゃ効果的です。
GPSデータからドライブルートを自動的に表示する機能も面白いです。
機動力重視ならSony
旅行など荷物を軽くして動き回りたいときは機動力と画質のバランス次第。
いちばん機動力があるのはウェアラブルカメラ。
手ブレとバッテリー持ちが弱点。
ブレ補正ならジンバルが最強。でもかさばる。
ソニーなら手持ち撮影でもそこそこ手ブレが抑えられる。
小型で持ちやすい形を活かして、手持ちでよし、一脚で上から撮ってよし。
パナソニック、ニコン、カシオのアクションカムが気になる人へ
この記事では変化球タイプの代表例としてソニーを検討しましたが、他メーカーのアクションカムでも基本的な考え方は一緒です。
GoProと差別化するため、パナソニック、ニコン、カシオはどれも尖った独自機能で勝負しています。
この独自機能があなたのニーズに突き刺さるなら、感じるままにそいつを選べば無問題。
まとめ
各社のアクションカメラをさんざん調べ尽くした結果、わたしはこんなプロセスで購入に至りました。
まず最初のとっかかりは価格が安い中華アクションカム。
SJCAM SJ6のコスパの良さに惹かれました。
でも部品を細かく調べていくと、SJ7やXiaomiのようなハイエンドモデルに興味が移ります。
どうせ買うなら画質が良いのが欲しくなり、ソニーのHDR-AS300を購入。
決めては新搭載の空間光学手ブレ補正。
ソニーを買った後、防水ケース入れたらほとんど音が録れないことが分かり、がっかり。
やっぱりGoProのほうがよかったかも・・・と買ったあとになって後悔。
でもなんだかんだ使っていくうちに、自分の使い方だと動画より写真メインで、スナップ写真的な使い方だとリモートビューアが便利なことに気がつき、「ま、いっか」と現在に至ります。
結局、どのアクションカメラが最強かは用途しだいなんですよね。