テラヘルツ鉱石の仕組み
テラヘルツ鉱石というパワーストーンがある。
いわく純度の高いシリコン(珪素, Si)で
1秒間に1兆回(=1THz)振動しているそうな。
万病に効能があり、水にテラヘルツ鉱石を入れておくとテラヘルツ水になり、
テラヘルツ鉱石の上に氷を置くと早く溶けるそうな。
それっぽい言葉がいっぱいで実にイイ。
小学校の帰りに露天で売ってたら間違いなくかったね、あの頃の俺なら。
テラヘルツは電波と光の間の波長ですなーんて表現もニクい。
テレビのリモコンが照射する赤外線もテラヘルツ波です、なんて表現じゃありがたみがない。
上に置いた氷が早く溶ける、という演出もよく思いついたもんだと思う。
遠赤外線ヒーターからの着想だろうか。
露天に実演販売して、空気を読めない小学生がテラヘルツ鉱石に触って
「アチチっ!」
と騒いでも
「これがテラヘルツ波のエネルギーです。火傷するから触るなよ」
とか言ってごまかせる理論武装。
ぶっちゃけ材料はケイ素でもゲルマニウムでも銀色で無害だったらなんでもいいけど、
安価なケイ素を選んだのも商売上手。
電気もないのに振動させるという説明にだいぶ無理があるけど
二酸化ケイ素こと水晶はパワーストーンの定番だし、
クォーツ時計でおなじみ水晶振動子のイメージから、
電気がなくても勝手にぶるぶる振動しそうな気がしないでもない。(しねーよ)
テラという単位も耳にするようになったのは最近。
ハードディスクやテレビのレコーダが初めてだったかな。
メガマック、ギガマック、テラ牛丼、テラワロスとか、
じつにいまめかしい修飾語になった感がある。
テラヘルツ鉱石って調べてみると意外とよく設定が考えられていてビックリ。
こういう想像力が0から1をつくりだす、ってやつかもね。
かの小林秀雄もユリ・ゲラーのテレビ番組を見て、
超能力は想像力を養う云々という話をしていた記憶がある。
ドナルド・トランプが大統領になり、
伊藤園が水素水で業績好調になる昨今、
テラヘルツ鉱石が大ブームになる日が来ないともかぎらない。(こねーよ)