おばかさんよね。

キュレーションメディアのタダ乗り問題を解決するアイデア

公開日:  更新日: 2017/10/08

マネタイズの効率という観点では「他人の褌で相撲を取る」ことが最強。地道にコンテンツをゼロからつくるより、リライトしたりキュレーションしたりするほうがよっぽど楽にPVを稼げる。そういうもんなんだから、フリーライダーのモラル問題をいくら指摘したって始まらない。

bouncyの謎

最近、boucyというキュレーションメディアをFacebookでよく見かける。
海外ネタの選球眼、日本語字幕をつけてコンパクトにまとめる編集力など、手が込んでいてついつい見入ってしまう。

調べてみたら運営元は非開示でホームページもなく、twitterのアカウントがあるだけ。
Youtubeなど動画の引用元との権利関係がグレーだから、そのへんにユルいFacebook専用にしてるのだろうか。

ネットメディアのフリーライダー問題は難しい

ネットは本質的にアナーキー・無秩序な世界だからフリーライダー問題の解決は一筋縄ではいかない。
これがテレビなら話は簡単。NHKの受信料を払わないフリーライダーを本気で解決するなら住民税と同時に強制徴収すればよい。ともかく行政の権力で好きに操作できる。

キュレーションメディアが引用元に取材料なりで収益を還元できればよいけど、単価が低いから送金コストが高くて見合わない。ビットコインを支払って認証された参照元URL(リファラ)でないとリンクできない、とかアイデアレベルなら浮かんできても、RSSのように広く普及するほどのブレークスルーは起きそうにない。

モラルとリテラシーによる解決

ネットメディアの運営を性善説的に考えてみたい。
そうするとネットのフリーライダー問題の本質はキュレーションで生じた収益を適切な形で引用元に還元する仕組みがないことではないか。本当は支払いたいけど、コストがかからずに支払う手段がないから、やむをえず懐に入れている、というおひとよし解釈だ。

理想は引用元に支払うことだけど、それができないなら違う方法で社会に還元すればよい。たとえばNPOへの寄付やボランティア活動の支援など。
「bouncyは収益の〜%を寄付しています」といった善意のシグナリングをすることで、タダ乗りした罪滅しとなるわけだ。

そしてココからがミソになるが、読者の側もメディアを見分けるリテラシーが問われる。
利益還元のアクションをしているメディアを選択して応援していく。

キュレーションメディアはSNSの拡散がPVの根源なので
「いまどき利益還元しないメディアをリツイートするとか、ダサいよね」
となれば自然淘汰されるはず・・・と思った。

補足1 ネットメディアは低俗か

「営利主義の低俗なネットメディア」というレッテルは「ハイソでエスタブリッシュな古いマスメディア」がやっかみ半分で作り上げた面もあると思う。テレ東のSICKSというコント番組(Amazonプライムで無料視聴)でおぎやはぎが皮肉ったのも印象的。

補足2  PVの根源はSEOからSNSに

Googleは使わない、SEO対策しているからは若年層のネット利用動態の本質を着いている。
トレンドに敏感な若者を引きつけるのは検索エンジンの上位表示ではなく、SNSのタイムラインにナチュラルにどんぶらこ〜と流れてくることなのだ。