おばかさんよね。

VIXショックの仕組みと下げ相場での投資戦略

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公開日:  更新日: 2018/03/05

「Mad Money」で解説されたVIXショックの仕組みと下げ相場での投資戦略を紹介します。

概要

ざっくりこんな感じ。
vix-shock

VIXショックとは

1月米雇用統計後の株安は「VIXショック」と呼ばれている。
その名の通り、「VIX指数連動ETF」が暴落の引き金となった。

個人投資家がボラティリティの高い金融派生商品を爆買いしたため、
ロスカットの連鎖が直接的原因となったという説がコンセンサスとなりつつある。
その他、FRBの利上げ予想やインフレ懸念を原因とする説もある。

VIXとは

VIX(volatility index)は恐怖指数と呼ばれ、S&P500のボラティリティ(価格変動の激しさ)から算出される。
VIXが高いほどリスク警戒ムードを示している。

VIXに倍プッシュ

2017年はVIXは低水準で安定していた。
この低位安定が「VIXレバ2倍ETF」という化物を生み出した。
これは一言で言えばVIXに倍プッシュする投資商品。
このVIX連動レバレッジ商品こそが暴落の直接的原因だ。

ジム・クレイマーは4つのVIX連動商品を例示した。
・ProShares Ultra VIX Short-Term Futures ETF (NYSEARCA:UVXY)
・iPath S&P 500 VIX Short-Term Futures ETN (NYSEARCA:VXX)
・VelocityShares Daily 2X VIX Short-Term ETN (NASDAQ:TVIX)
・ProShares Short VIX Short-Term Futures ETF (NYSEARCA:SVXY)

これらVIX連動商品に集まった投機マネーが処分されていけば、市場は落ち着いていくだろう。

優良株の仕込み時

2008年のリーマンショックも今回のVIXショックと同じ構造。

リスクが高いサブプライムローン債権をハイ・レバレッジの信用取引で爆買いした結果、ほんのちょっとの価格下落が強制ロスカットの連鎖につながり、市場全体が暴落に見舞われた。

ジム・クレイマーは断言する。
「誓ってもいい。市場には同じ失敗を繰り返すマヌケどもがいる。
信用取引で積み上げられたハイボラ商品の崩壊は近い。
リーマンショックと同じ展開がこれから起きていくだろう。」

ハイボラ商品のロスカット連鎖が終われば、相場は自然と回復していくだろう。
とはいえ、まだまだ先行きは不透明だ。

こういう下げ相場では企業業績を慎重に見極める必要がある。
そして、狂ったように跳ね上がったVIX(恐怖指数)が落ち着く日にそなえ、
業績が良い優良株の買い玉を仕込んでおく絶好のチャンスなのだ。

ジム・クレイマーが言及した有望銘柄の候補。
いずれも市場予想を上回る好業績を発表している。
Twitter (NYSE:TWTR)、GrubHub (NYSE:GRUB) 、Nvidia (NASDAQ:NVDA)

推奨銘柄

長期投資の推奨銘柄は?

Nvidia (NASDAQ: NVDA) 、Regeneron (NASDAQ:REGN)

ヘルスケア分野の推奨銘柄は?

AbbVie (NYSE:ABBV)

Berkshire Hathaway (NYSE:BRK.B)、Amazon (NASDAQ:AMZN) 、JPMorgan (NYSE:JPM)も「ヘルスケアの再発明」に取り組んでいる。

押し目買いの推奨銘柄は?

FANG銘柄のFANが狙い目。
すなわち Facebook (NASDAQ:FB)、Amazon、Netflix (NASDAQ:NFLX)。
Googleの代わりにAdobe推奨。

Home Depot (NYSE:HD)
直近3ヶ月は要注意だが、170ドル前後なら買い。

World Wrestling Entertainment (NYSE:WWE)
根強いファンがいる強い企業。さらに10%下がるようならナンピン買いもあり。

個別銘柄に注目せよ

VIXショック後をみすえて個別銘柄に注目すべきだ。

KapStone Paper (NYSE:KS) を買収したWestRock (NYSE:WRK)。
大規模なM&Aは製紙業界全体の利益改善につながる。
International Paper (NYSE:IP) も狙い目。

参考記事

アングル:米VIX逆張り証券の損失、個人投資家を直撃
2018年2月7日

この金融商品はVIXが上昇しないこと、つまり株価が急変動しないことに賭けるもの。
米株は過去1年間、上昇基調を続けてきたが、それに飽き足らず、さらに大幅な利益を求める個人投資家と機関投資家から資金が流れ込んでいた。

しかし先週末からの株価急落でVIXが跳ね上がり、こうした商品は大きな損失を出した。
VIXをショート(空売り)にする投資戦略は以前から、機関投資家の間では主流だった。
しかし近年、この戦略に関するETPが導入され、個人投資家にも参加の道が開かれた。

「残念ながら、ボラティリティに慣れていない多くの人々は、リスクがあることが分かっていなかった」
機関投資家はこうした商品のリスクをヘッジしている。
モーニングスターによると、ファンドや機関投資家による保有比率は2割にとどまっており、個人投資家が大量に保有していることが分かる。

目敏い人がやっている「VIXショート」ってなんだ? | ハーバービジネスオンライン 
2017年2月13日

トランプ旋風で活況を呈する市場において、もっとも手堅く、大きなリターンを稼ぐ方法はないのか
個人投資家が出した結論は「VIXショート」という手法だった。
年利50%という驚異のパフォーマンスさえ狙える

米国ETF・ETNによる資産運用で年間38%の利回りを安全に得る方法の全て
2017年7月20日

VXXが長期に渡って下がり続けること、決してゼロにはならないことの2つをご理解頂いたと思います。
VXXのこの特徴を考えると、単純に空売りすることで稼ぐことができます。

超訳「Mad Money」について

この記事は米CNBCの名物投資番組「Mad Money」でジム・クレイマーがしゃべった市場解説にインスパイヤされた超訳モノです。
トークの勢い重視で面白おかしく書いていますが、主旨は崩していないつもりです。
誤訳やタイポがあれば教えてください。

参考記事:
Cramer Remix: How to play Nvidia in a volatile market

ジムのトークは大好きですが、個別銘柄の予想は無茶苦茶なことが多いと個人的には思ってます。
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