おばかさんよね。

【デマ注意】中国ビットコイン規制で仮想通貨マイニングASICやGPUが値崩れしている?!

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公開日:  更新日: 2018/02/10

Newspicksでたいそうバズった記事ですが、調べてみたらフェイクニュースでした。
hiroyuki
中国のビットコイン規制によりマイナーがASICとGPUを売却開始

ニュース概要

中国のビットコイン規制で仮想通貨が暴落した影響で、中国業者が仮想通貨マイニングから撤退する動きが出ているというニュースです。
大量のGPUが中古市場に出回り、値崩れしているそうです。
一例として、GTX1080が300ドル以下(1999元)の捨て値になっているという説明と画像がありました。

売り手の説明によると99.9%ほぼ新品であり、合計で200枚に上るGPUを販売したいとしています。マイニングリグは下記画像の様に、通常6枚前後のGPUを搭載するためリグ数は30を超えるため個人マイナーとしてはかなりの数となります。
またEric氏によると、この出品者だけではなく中古マーケットには”大量”のGPUが出回っていることが確認されており、中国マイナーが撤退をはじめているということがわかります。
価格帯は100ドルからで、通常7万円から8万円はするNvidia GTX1080でさえ半額以下の300ドルです。更にこの価格は”値下げ交渉”が可能であり、今後撤退が続き中古GPUが値崩れする前に売りたいというマイナーの焦りが感じられます。

中国の中古GPUは安くない

このニュースを真に受けた私は小遣い稼ぎを狙いました。
「GTX1080を買い占めてヤフオクで転売したるで」
「ゴールドラッシュで儲かるのは、つるはしビジネスや!」
と鼻息荒く、中国の中古GPUを調べてみることにしました。

記事中の画像では「闲鱼」というアリババ(タオバオ)が運営する中国版メルカリのウォーターマークが入っていました。
で、「闲鱼」で検索してみた結果・・・むしろ日本のが安かったです。orz

捨て値どころか、高値で買取募集する投稿が目立ちます。
まだまだ中国のマイニング需要は旺盛なようです。

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大量收各类矿卡,gtx1060矿老板联系我,价优 - 闲鱼.淘宝二手

ソースの信頼性が低い

当該記事では中国識者へのインタビューがソースだと紹介されています。

イーサリアム・ジャパンは中国科学院のDr.Eric Zhao氏へインタビューを行いました。
(中略)中国では数日前からマイナーが撤退をはじめたと大きな話題を呼んでいます。
Eric氏によると、日本でいうヤフオクの様な中古市場に大量のGPUが出品され、イーサリアムやZcash、モネロなどのマイニングに使用するNvidiaのハイエンドグラフィックボードGTXシリーズなどが大量に出回りはじめ、「マイナーはマイニングから撤退をはじめている」と言われています。

冷静になって考えてみれば、中国政府の息がかかった中国科学院に所属するハイソな研究者がビットコインの市場動向についてコメントするなんて怪しいですよね。
ブログメディアの独自インタビューなら、なおさら眉唾ものです。

ちょいとググってみたところ、中国科学院大学を卒業したビットコイン市場動向に詳しいEric Zhao氏という人物がヒットしました。
中国科学院と中国科学院大学、名前は似ていますが、まったくの別物です。
東京大学と東京カスカビアン産業大学の違いみたいなものです。
Eric Zhao氏 はCNLedger というTwitterアカウントを運営しており、中国ローカルの仮想通貨ニュースを英語で発信されている人物です。
英語ニュースサイトでも、このEric Zhao氏 を「中国科学院の研究員」と誤訳していました。

kuma
釣られたクマー。