テスラの新型SUV「モデルY」はワイヤーハーネスが1/10になる!?
モデル3の量産すらおぼつかないテスラだが、
はやくも次期SUV「モデルY」のニュースがちらほら。
新型をリリースした直後から次の新型に関心が移る(移す?)感じはスマホとそっくり。
目次
「モデルY」は「モデル3」プラットフォームを踏襲
第2四半期の決算説明会でイーロン・マスクCEOは、
新型コンパクトSUV「モデルY」は「モデル3」のプラットフォームを踏襲し、
2019年の早期リリースを目指すとコメントした。
これまで「モデルY」についてイーロン・マスクは、
「新しいプラットフォームを設計する」と宣言していたが、
「正気を失っていた(cliffs of insanity)」とあっさり自己批判し、方針転換した。
「モデルY」はワイヤーハーネスが激減
「モデル3」のプラットフォームを踏襲するが、
「モデルY」では「flex circuit(フレキ回路)」技術により、ワイヤーハーネスを劇的に削減できるとアピールしている。
ワイヤーハーネスの使用量は
「モデルS」と「モデルX」が3000m、
「モデル3」が1500mなのに対し、
「モデルY」はわずか100mになるという。
flex circuitとは?
ワイヤーハーネスの劇的な削減を可能にする「flex circuit」とはどういう技術なのか?
なんと、肝心の中身についてテスラから一切説明はない。
それっぽい技術を推測してみた。
FPC説
いちばん素直に連想されるのが、
flex circuit=FPC(Flexible Printed Circuit、いわゆるフレキ基板)のことじゃないか説。
複数本のワイヤーを集積したFPCを1本と数えるなら、ワイヤー長が激減する説明もつく。
なにより名前が似ている。
長距離を引き回す用途には向かないが、そこらへんは技術的ブレイクスルーもありえる。
米DuPont社、ワイヤハーネスの置き換え狙うフレキを開発中
沖電線、長距離高速伝送を可能としたFPC「長尺高速伝送FPC」を開発
アルミハーネス説
アルミハーネスにすると重量が従来のおよそ半分にできる。
古河AS 次世代の自動車用アルミハーネス接続技術の開発に成功|2015|ニュースリリース|古河電気工業株式会社
アルミハーネス|企業情報|住友電気工業株式会社
シリアル・インタフェース説
「ワイヤーをフレキに置き換えてもワイヤー長は変わらないよね?」
という几帳面なツッコミに対応できるのが「シリアル・インタフェース説」
Ethernet AVBやらマキシムのGMSLなど、高速シリアル通信インタフェースを採用すればワイヤーハーネスの本数を大幅に削減できる。
Ethernet AVBでもリアルタイム伝送!
マキシムが車両内の映像データ伝送で提案
「1本の同軸ケーブルで映像データの送信、制御信号の送受信、電源供給を行える」
48V化説
電装系を従来の12Vから48V化すればワイヤーハーネスを軽量化できる。
ワイヤーハーネス削減の影響は?
一般的にワイヤーハーネス削減するメリットは軽量化とコストダウン。
テスラが必死になるのは合点がいく。
影響をくらうのはワイヤーハーネスのサプライヤー。
FPCなどワイヤー自体が高付加価値化する方向性もあるが、
基本的にはワイヤーが簡素で、短くなり、値下がりする方向。
テスラのワイヤーハーネスは矢崎総業が供給していると言われている。
世界トップシェアの矢崎総業にとってテスラは鼻くそ程度に過ぎないが、決してあなどれない。
テスラは先端技術のショーケース。
テスラ採用がきっかけとなり、BMWやaudiなど世界の高級車ブランドが追従してくる可能性がある。
自動車用ワイヤーハーネス、コネクタの主なメーカーは矢崎総業、住友電工、古河電気工業、フジクラ、米 Lear(リア)、米 TE connectivity。
ソース
Tesla Model Y will have “substantial carryover” from Model 3, next-gen platform to come later