Samsung買収でHarmanはどう変わるのか?
Samsung(サムスン電子)に買収されたことでHarman(ハーマン)がどう変わるのか?
Harmanの事業ポートフォリオから推測してみる。
目次
Harmanの事業分野別売上
Harmanのプレスリリースによると売上の65%が自動車関連。
2015年の全社売上は70億ドルなので約5,000億円にあたる。
同業のアルパインが約2,800億円、パイオニアのカーエレ分野が約3,500億円。
高級オーディオのイメージが強いが、実態はカーオーディオの超大手だと言える。
日本法人の社長インタビューによると、
Harmanは2013年頃までは高級オーディオが8割、その他2割だったのが、
企業姿勢を見直し成長路線に舵を切り、高級オーディオが2割、カーオーディオ含むその他が8割に逆転したという。
しかし日本でのハーマンの売上はBluetoothスピーカやヘッドホンが中心。カーオーディオ事業の売上は米国が中心で日本はコストセンター的な位置づけだったと自嘲している。
レクサスはマークレビンソン、トヨタはJBLの各ブランドで展開していたが、主要顧客は米国のBIG3(Ford, GM, Chlysler)のようだ。
Harmanのブランド
Harmanは高級オーディオのTop-of-mind(Top of Mind Awareness, 第1想起)。
「正解は?」→「越後製菓!」と同じく「HiFiオーディオは?」→「Harman!」というブランドを確立している。
オーディオマニアの趣味嗜好を幅広くカバーするブランドを保有している。主要ブランドを調べてみた。
JBL
1946年にアメリカ カリフォルニアで創業。1969年にハーマンに買収された。
個人的にはジャズ喫茶のスピーカーといえばJBL。ウォルナットのブラウンとブルーバッフルのコントラストを眺めながらモカコーヒーを口に含めば心はいつでもビタースイートサンバ(意味不明)。
Mark Levinson(マークレビンソン)
1972年、アメリカ生まれのブランド。1990年にハーマン傘下のブランドとなった。
AKG(アーカーゲー)
アニメキャラが使って売り切れ続出した高級ヘッドホンが有名なAKG。1947年創業のオーストリア企業。1993年にハーマン傘下になった。
Bang & Olufsen(バング&オルフセン)
1925年にデンマークで創業。2015年に車載用オーディオ事業をハーマンが買収。
2013年に身売りの話が浮上した際にもサムスンの名前が上がっていた。
家業が傾いたデンマークの美少女(B&O)が成金の東洋人(三星)に身売りされそうになったところを脚長おじさん(Harman)に助けてもらった、と思いきや、脚長おじさんの資産を根こそぎ買い上げられ、「やっと合体できたね!」とヨダレを垂らす成金、と腐女子による擬人化待ったなしの鬼畜展開。
サムスンとのシナジー
米国の法定訴訟ドラマ「SUIT」にドハマリした俺こと国際弁護士に言わせれば、
サムスンが買収交渉で提示したプレミアムが好条件すぎて、株主を納得させるような却下理由が見つからず、ハーマンは不本意ながら買収されたというのが買収の舞台裏だと見立てている。
ちなみにSUITはAmazon Primeで見れるのですよ。
ハーマンにとってサムスンとのシナジー(相乗効果)は少ないと思うが、
ひょっとするとひょっとするかも、というアップサイドの夢シナリオもありうる。
つづく。