おばかさんよね。

VIXショック後の楽観的/悲観的な予想シナリオ

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VIXショック後の先行きはどうなるのでしょうか?
楽観的なシナリオと悲観的なシナリオの両方を考えました。
そしてどっちに転ぶのがもっともらしいのか、
「ミンスキー・モーメント」的な着眼点で考えてみました。

起きている事実

  • S&P500指数は雇用統計前から10%下落(1/26終値:2872.87から2/8終値:2581.00)
  • 暴落の引き金となったVIX連動ETFが相次いで取引停止。早期償還関連で株式相場に2000億ドル規模の売り注文が発生する。
  • 長期金利は2.8%超で高止まり。

ソース

2018年2月6日

・バークレイズはボラティリティー関連ファンドのレバレッジ解消で今後数日に2250億ドル相当の株売りが出ると試算
Credit Suisse Fund Liquidated, ETFs Halted as Short-Vol Bets Die - Bloomberg

2018年2月7日

・VIXベアETFの機関投資家の保有比率は2割。個人投資家が大量に保有している。
アングル:米VIX逆張り証券の損失、個人投資家を直撃(ロイター)

2018年2月6日

クレディ・スイスは同行が発行したインバースVIX短期ETN(XIV)を買い戻すと発表した。
21日に償還するとしている。
同ファンドの時価総額は米国時間6日午後4時現在は93%安。午前の大半は取引が停止されていた。

クレディ・スイスは昨年9月末時点でXIVの32%を保有していたが、これに関連したトレーディング損失は被っていないと発表した。
クレディSは投資商品清算-VIX連動ETP十数本が取引停止 - Bloomberg

楽観的な予想(アップサイドシナリオ)

一般的に思われている以上の速さ、具体的には3ヶ月以内に、相場は元通り上昇基調へ回復するかもしれません。
その根拠は次の3つです。

  • 強いファンダメンタルズ。世界経済(マクロ)も企業業績(ミクロ)も良好。
  • VIXデリバティブの大部分はアルゴリズム取引で既に清算されている。
  • このまま一本調子で長期金利が上昇することはない。いざとなったらFRBが動く。金融危機か、利上げ延期か。誰にとっても明白だ。

悲観的な予想(ダウンサイドシナリオ)

市場のモメンタムが明らかに変化したので、このまま長い下げ相場に突入する可能性も十分あります。
主な根拠はこんな感じです。

  • 相場が急激に変化するとき、ファンダメンタルズはあてにならない。
  • VIX連動ETFの早期償還によりS&P500銘柄は無差別・大量・短期間の売り注文を浴びせ、市場心理は一気に悪化する。
  • 雇用統計(実体経済)に影響が出るまでFRBは手を出せない。

おばかさんの考察

VIXショックとリーマンショックの比較

今回のVIXショックを2008年のリーマンショックと比較して考えてみます。

どちらも金融派生商品(デリバティブ)が下落の原因でした。
リーマンショックは住宅ローン(サブプライムローン)を証券化したCDSが原因でした。
VIXショックはUVXY、VXX、TVIX、SVXYといったVIX連動ETF(ETN)が原因でした。

連鎖性

CDSもVIX連動ETFも金融派生商品ですが、「連鎖性の強弱」が全然違います。

リーマンショックのCDSは、焼夷弾のように次から次へと燃え広がる構造になっていました。
そして最後は企業の倒産という形で大炎上し、その損失を政府が肩代わりする羽目になりました。

VIX連動ETFは強制ロスカットで即ゲームオーバーになります。
良くも悪くもマネーゲームなのです。

つまりVIX連動ETFはCDSのような強い連鎖性はありません。
あとは市場心理だけの問題です。

ミンスキーっぽいけど、ミンスキーじゃない。

上げ相場が下げ相場に転じて債務スパイラルが発生し、暴落していく現象を「ミンスキー・モーメント(ミンスキーの瞬間)」と呼びます。

2月6日のVIXのスパイクに反応した一連の暴落は「ミンスキー・モーメント」っぽい現象です。
しかし本当の意味での「ミンスキー・モーメント」にはなりません。
VIX連動ETFは株式相場の中だけで清算されるオプション取引です。
生じた損失は投資家が自分でケツをふいて終わるから心配いらないのです。

オプション取引はゼロサム・ゲームです。

リーマン・ショックのCDSが悪質だったのは、倒産リスク評価額を都合よく操作することで、本来ゼロサムゲームであるオプション取引をあたかもプラスサム・ゲームのように仕立て上げたことです。
投資銀行のバンカーはCDS量産で巨額の報酬を稼ぐ一方で、最後にババを引いたAIGは公的資金で救済されました。

結論

モメンタムの変動はあなどれませんが、理論上、VIXショックは長引きません。
おばかさんは51対49の確率で楽観的なシナリオを信じています。
VIXが落ち着いたら好業績の個別銘柄を積極的に拾っていきたいと思います。
ジム・クレイマーが推奨する戦略に同意です。

Booyah!

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