おばかさんよね。

比較表でスッキリ!車載向けリチウムイオン電池の円筒・角型・パウチの違いとは?

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2017/10/08

EV、HVのキーパーツであるリチウムイオン電池ですが、セルの形状によって、円筒形、角型、ラミネート型(パウチ型)の3種類に分類されます。テスラがパナソニックの円筒型セルを採用していることは有名な話ですが、そもそもセル形状ごとに長所・短所があることをご存知ですか?

そこで円筒形、角型、ラミネート型の特徴と車載向けバッテリーの関係をまとめてみました。項目ごとに細かい情報を書いて、最後に比較表で特徴を分かりやすく一覧にしてみました。どうぞご覧あれ。

セル分類の基本は3種類

まずは基本から。リチウムイオン電池のセル形状は次の3種類です。

  • 円筒形
  • 角型
  • ラミネート型(パウチ型)

それでは順番にそれぞれの特徴を紹介します。

円筒形セル

一般的な特徴

円筒形セルの見た目は単3乾電池とそっくりです。

円筒形のメリットは大容量かつ安いことです。モバイルバッテリーやノートPCなど家電製品でも幅広く使われています。

車載用途での特徴

民生用途のリチウムイオン電池で最も汎用的なのが円筒形ですが、車載向けバッテリーではマイナーな存在です。

円筒形セルを敷き詰めて車載バッテリーパックを作ると、セルとセルの隙間が無駄になってしまうからです。
そのため自動車用途では「素直にEV専用設計の角型やラミネート型セルのほうが省スペースじゃね?」という考え方が主流となっています。

しかしながら、高エネルギー密度&安価という特徴を活かし、テスラのように戦略的狙いがあって、EV用バッテリーに円筒形セルを採用するメーカーも存在します。

なぜでしょうか?

電気自動車の製造コストの半分以上がリチウムイオン電池だと言われています。つまりリチウムイオン電池の調達コストを下げることが自動車メーカーの価格競争力に直結します。

テスラのような自動車ベンチャーによって、汎用的で安い円筒形セルを採用することで、日産やGMなど大手自動車メーカーに負けない価格競争力のある電気自動車を作ることができるのです。おばかさんの推測まじりですが、実際、テスラ開発者のインタビュー記事で、円筒形セルを採用した理由をそんなニュアンスのことを言っていた記憶があります。

後述する角型やラミネート型に比べて、かさばりやすい円筒形セルを採用する場合はバッテリーパックの省スペース設計が重要となりそうです。ちなみにテスラ モデルSのバッテリーパック分解記事が落ちてました。
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テスラ モデルSのバッテリー分解記事

一般的な欠点として指摘されている通り、セルとセルと隙間はけっこう空いているように見えます。だからといってモデル3の車室内が狭くなったわけではないので、ドライバー目線では問題なし。むしろ、安いなら円筒形セル大賛成!といった感じでしょうか。

主なサプライヤー

円筒形セルの代表的なサプライヤーはパナソニック、LG化学、そしてBYD等、中国ローカル企業です。

おばかさん的には最近、中国企業の動きに注目しています。円筒形セルは製造方法も単純ですし、民生用途がメインなので参入障壁がわりと低い製品です。しかも中国政府はZEV規制・ホワイトリスト規制を利用して国内産業育成にじゃぶじゃぶと補助金を出しており、中国ローカルの新興バッテリーメーカーが雨後の筍のようにニョキニョキと勃興しています。

それと車載用の円筒形リチウムイオン電池といえば、なんといってもテスラで採用されているパナソニックの知名度が高いです。

角型セル

一般的な特徴

ガラケーやデジカメの交換型バッテリーが角型セルの代表例です。セルが四角いのでコンパクトかつ薄型化が可能です。

車載用途での特徴

角型セルのメリットは機械的強度・エネルギー密度・サイズという車載用途としての重要性能のバランスが良いこと。ざっくりいえば、丈夫でパワフル、しかもそこそこコンパクトということ。

大手自動車メーカーのハイブリットカーはたいてい角型セルです。

ラミネート型(パウチ型)

一般的な特徴

スマホの内蔵バッテリーがラミネート型セルの代表例。レトルトカレーのパウチにも似てるのでパウチ型とも呼ばれています。

角型の外装がアルミ缶なのに対し、うっすいラミネートフィルムで包まれています。ラミネート型は薄型化・省スペース化に有利。スマホやスマートウォッチなどモバイル機器では定番です。

ともかく軽い!薄い!(たまに)爆発する!と三拍子そろったお騒がせ野郎です。

車載バッテリー用途での長所・短所

HVでは角型セルが多いですが、よりバッテリーのパワーが求められる電気自動車ではラミネート型が本命と言われています。日産リーフもラミネート型セルを採用しています。
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豆知識:セルの製造方法による違い

セル外形ごとの特徴をまとめましたが、バッテリーの出力特性はセルの製造方法による違いも大きく関係しています。セルの製造方法は巻回(けんかい)型と積層型の2種類があります。

円筒形と角型セルは巻回型、ラミネート型セルは積層型で製造されることが一般的なようです。

巻回形(ジェリーロール)

正極材・セパレータ・負極材のシートをくるくると巻く方法が巻回(けんかい)型。ジェリーロールとも呼ばれてます。
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積層型

交互に折りたたんで正極材・セパレータ・負極材を積層する方法です。
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まとめ

円筒形、角型、ラミネート型の特徴をまとめた比較表がこちらです。

名称 価格 サイズ 頑丈さ パワー 採用例
円筒形 安い でかい テスラ
角型 高い 最強 トヨタ プリウスPHV
ラミネート型 極薄 最弱 最強 日産 リーフ

これでリチウムイオン電池のセル外形による違いはバッチリですね。分からないことがあれば、コメント欄に気軽に聞いてくだパイナップル。間違っている内容があれば教えてくれマッチョ。

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